投稿日時:2023年4月18日 / 更新日時: 2023年5月3日
ちょっと、本業のお話。
わたしは、Web広告代理店業をしながら、自分の体験をもとに
ひきこもり・持病・育児・介護などの理由で、いきなり外に働きに出るのがむずかしい人に、
「まずはWebスキルを身につけて在宅で稼ぐ」という所から
社会復帰を促す活動をしています。
本業のWeb広告代理店業はというと、
いろんなプロジェクトを同時並行で動かしていて、
クライアント様ごとに、いろんな担当者さん、クリエイターさんと接する機会があります。
その中で、時々ぶつかるのが、表題の
ーーー「作品」をつくるか「商品」を作るか。
という点です。
私はマーケターなので、商品を売ること、
クライアント様の事業を発展させることを目標に動きます。
でも、プロジェクトによっては、
「良いものを作りたい」
「自分の満足いくものを世に出したい」
という信念を貫いているクリエイターさんとご一緒することがあります。
そんな時、私は、
ーーー『作品』を作っているんじゃなく、『商品』を作っているんです。
作り手が満足するのではなく、受け手(ユーザー)が満足できるものを作りましょう。
とお話しして、修正依頼をしたり、コンセプトを変えてもらったりしているんですが、
これが結構、つらいな…と感じる作業です。
クリエイターさん目線で言うと、
「自分のこだわりをわかってくれない」
「こうした方が良いのに…」
「そんなやり方なら、自分の作品じゃない。制作したくない。」
など、やる気を削がれる感じがします。
すぐ、軌道修正してくださる方もいれば、受け入れられませんという方もいます。
自分の思いを届けたい。
自分が納得いくものを届けたい。
その気持ちは、よくわかります。
私も、Webマーケティングをはじめて、1年目・2年目くらいの時は、
広告文のコピーにこだわったり、
ランディングページ(広告をクリックした時に表示される着地先のページ)のデザインにこだわったり、
記事を書くとき、一文の表現にすごくこだわったり…。
自分の感性や自分の思いを重視して、
“こちらが伝えたいこと”
“こちらが表現したいこと”
をなんとか形にしようと取り組んでいました。
でも、1年目・2年目とお仕事をしていくうちに、
「パッと見た感じはAの方がおしゃれそうなのに、Bの少しダサめのデザインの方が売れてる」
「こだわって作ったかっこいい広告文より、メリット羅列しただけの広告文の方がクリック率高い」
「ていねいな言い回しで書いた文章より、箇条書きにした記事の方が読まれてる…」
など、自分の思いやこだわりとは関係なく、反響があるケースに出くわしました。
「あ、自分の思いやこだわりって、他の人にとっては関係ないこともあるんだな」
「もっとユーザーさんの気持ちに寄り添ったら、多くの人に届けられるんだ」
ということを体感しました。
以来、自分の気持ちは置いておいて、
「この商品(や記事)を届けるユーザーさんは、どうすると喜んでくれるかな?」
「どうすると、ユーザーさんにとって、わかりやすいんだろう」
と、ユーザーさんのことをいちばんに考えるようにしました。
結果、広告のパフォーマンスは上がるし、
記事は検索上位になるし、
商品は売れるし…と好循環になって、クライアント様にも喜んでもらえるようになりました。
こだわりを薄めることで、道が開たんです。
…と、何を言いたいかというと、
「Webスキルでお金を稼ぐ」となった場合、
・クライアントワーク を選ぶか
・自分の作品を売ること を選ぶか
によって、求められる役割・コミットしなくてはいけない方向が変わってきます。
「自分の納得のいくものを作りたい」という場合は、
自分の作品を直接売っていくことを中心に考えると良いですし、
「クライアント様やユーザーさんなど、他の人が喜んでくれることがうれしい」と思える場合は、
クライアントワークをやってみるのも良いのかなと。
いろんな考え方があって、どちらが良い悪いという話ではありません。
1人1人、それぞれに適正もあるので、
どんな方向性で進んでいくか、一緒に考えていきましょう。
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