投稿日時:2023年5月2日 / 更新日時: 2023年5月3日
ひきこもりの相談の7割〜8割が、本人ではなく、ご家族からのご相談です。
むかし、自分がひきこもっていた時、
「ひきこもりで、いちばんつらいのは、家族なんです!」
と声高に言う専門家?の方の発言に違和感を感じたことがありました。
当時は、「ひきこもっている方だってつらいんだよ」
「ひきこもりたくって、ひきこもっているわけじゃないのに…」
という気持ちになり、『ひきこもり』=『楽してる・好き勝手してる』と思われているんだな〜と
少し落ち込みました。
でも、実際にひきこもりの方の社会復帰を応援する活動をはじめてみると、
ひきこもっている本人より、
ご家族の方がアクセスしやすく(=相談にきてもらいやすい、悩みを話してもらいやすい)、
ご家族の葛藤や苦悩が本当に伝わってくるので、
先述の発言になる理由もわかるなと、最近は感じています。
ご家族のつらさには、いろいろな理由・背景がありますが、
やっぱり「自分のこと」であれば、「自分が動いたり、なんとかすれば解決できる」ものの、
「人(本人)に動いてもらう」ことでしか解決できないという
むずかしさがあると思います。
ひきこもりに限らず、社会に出て思うのは、
「人に動いてもらうことほど、むずかしいことはない」ということ。
自分1人のことであれば、自分の気の持ちようや行動でいくらでも変えられるものの、
人に動いてもらおうとすると、そう簡単にはいきません。
大事な息子さん、娘さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、弟、妹、奥さん、旦那さんだからこそ、
なんとかしたくて、でも、なんとかならなくて…
悲しさや、後悔や、もどかしさや、不安が募ります。
先の見えない不安って、本当につらいですよね。。。
でも、わたしは、ひきこもり当事者だったので、あえて言うと、
「周りと同じくらい、本人も苦しんでます。」
本当は、親・兄弟・学校の先生・友達・配偶者・恋人・親戚、
みんなに喜んでもらえるような生き方がしたいし、
みんなに褒められるような人生にしたいし、
少なくとも、誰かを泣かせるような人生にしたいとは思っていない…。
でも、できない…。
そんなジレンマを抱えている本人って、意外と多いんです。
「ひきこもりは、家族がいちばんつらい?」
この答えは、YESであり、NOでもあるんじゃないかなと思います。
「ひきこもりは、本人も家族もみんなそれぞれにつらさがあって、
それぞれに思いがあって、比べられるものじゃない。」
というのが、しっくりくるんじゃないかなと。
ご家族も本人もつらいからこそ、
何かのきっかけで、明るい未来になればよいな…と思う1日でした。
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